自分自身を観察することが自分に影響を与える〜9月教室レポート〜

9月の教室レポートです。

 

前半は小野田さんのお話です。

 

※下記の要約には、小野田さんの話を聞いた僕(土橋)の解釈が含まれています。小野田さんの直接の発言については、黒太字に記しています。

 

この教室は等音面の楽器製作を一つの目的としていますが、共鳴力の高い等音面を作るためには、製作者自身の体も共鳴力を高める必要があります。

こんかいは、体の共鳴力を高めていく(体を整える)ことをテーマに話が進みました。

 

 

「自分自身を観察することが自分に影響を与える」

 

量子力学では、人間が観測する影響で、超微小な量子の世界では実験データが変化してしまう現象が確認されています。

 

私たちが認知したり感じたりすることが現象に影響を与えているということです。

 

ここで注目したいのは、私たち人間は、外の世界の現象だけでなく自分自身も認知できるということです。 

 

 つまり、自分自身を観ることが自分にものすごい影響を与える可能性があるということです。

 

なぜ昔の人がひたすら座って内観をしていたのか?

 

その理由がここにありそうです。

 

物理学者などの科学者は外の世界を対象に観察します。

 

一方で禅僧は、自分の内面の世界をひたすら観察します。

 

不思議なことに、現代物理学(量子力学等)の研究と、東洋思想の見解が一致しているということが言われています。 

 

アメリカの数学者フォン・ノイマンは「(電子の)波の収縮は人間の意識の中で起こる」と主張し、そして「量子物理学の最大の発見は、これまで考えられたことのない精神力の自覚である。すなわち実在が意識を形成するのではなく、その反対に意識が実在を形成するという自覚作用が深く潜在しているのである。こうした意味において、現代物理学の哲学は、悟りの哲学である仏教と区別できなくなりつつある」

と述べています。

 

量子力学では私たちが観測して初めて実在を形成する(世界を作る)といい、仏教では、実在とは空である(だから私たちの見方によって世界は変化する)と言います。

 (↑上は僕の個人的解釈です。)

正確にはわかりませんが、なんとなく同じようなことを言っているのかなという気はします。笑

 

外の世界を観察しても、内の世界を観察しても最終的に巡り逢うのかもしれません。

 

一人の人間の存在の中に、この宇宙の全ての情報が含まれている。

 

だから自己観察さえすれば良い。

 

私たちの普通の感覚ではあまりピンとこない主張ですね。

 

小野田さんによると、これは、フラクタルという概念から一つの説明ができるそうです。

フラクタルとはフランスの数学者ブノワ・マンデルブロが導入した幾何学の概念で、 図形の部分と全体が自己相似になっているもののことを言います。

 

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フラクタルな図形)

 

人間を含めた世界はフラクタルを内包しているので、一人の人間の存在がこの世界のミクロからマクロまで全ての情報を相似形として持っているのです。

 

自分の中に宇宙の全ての情報があるなんて、ちょっと信じらえませんが、ロマンがありますね。

 

そして、フォノグラムはその情報を意識的にコントロールし、積極的に変化させていくことができる技術です。

 

 

「我思うゆえに我あり」

 

フランスの哲学者デカルトが「方法序説」の中で唱えた命題ですが、この命題を

 

<(「我思う」ゆえに我あり)と思う」ゆえに我あり」と思う>我あり、、、

 

とすると無限に続けていくことができます。

 

これを繰り返している状態は、意識がたくさんありフォノグラムでは渦がたくさんある状態です。

 

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私たちが、あーでもないこーでもないと色んな考えがあってごちゃごちゃしている時は、その渦を行ったり来たりしている状態です。

 

この渦が解けて、意識が統一された状態ではフォノグラムはトーラス図形が描けます。

 

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これを彫刻を彫るという作業を例に考えてみます。

 

(「仏像を彫り、彫った仏像を見る」そして納得がいかない箇所をまた彫る)そしてまたそれを見る、、、、これを繰り返していくと最終的にその人の納得する形が現れ作品が完成します。

 

この時フォノグラムの図形トーラスを描く(対称性の高い)状態となります。

 

「我彫るゆえに我あり」そしてまた彫る、、、

 

という感じですかね。

 

でももし始めから渦のないトーラス状態で作業ができたらどうでしょう?

 

たくさん渦がある状態では、なかなか良い仕事はできません。

 

渦を解き、意識の統一された集中状態に入ってはじめて何か価値あるものを生み出せるようになります。

 

ここからは、具体的に身体の中の渦を消して、身体を整えていく実習を行いました。

 

 

「体の共鳴状態を強くしていく」

 

フォノグラムとは意識を拡大させる方法、体を自由に動かせるようにする方法とも言えます。

 

それができないとヴァイオリンを彫ることもできない。良い仕事はできません。

 

一般には、私たちの意識が体をコントロールしていると考えられていますが、実際には体の状態が意識を作っているというのが本当です。

 

体の状態が良くなければ、良い考え、創造的なアイデアは湧いてきません。

 

 

さて、私たちは、普段自分の体をどのように動かしているのでしょうか?

 

普通は無意識に動かしていると思います。

 

コップを持つ時に体のどの筋肉を使って持っているといちいち確認している人はほとんどいないでしょう。

 

では動くとはどこがどのようにして動かしているのでしょうか?

 

一般的な説明では「脳が体に指令を送って動かす」ということになると思います。

 

じゃあ脳は何が動かすのか?

 

実は、ここには意識、心、サイコキネシス(超能力)が働いています。

 

誰もが当たり前のように体を動かしていますが、体を動かしているのは、実は超能力(意識の力)なのです!

 

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この体を動かすという当たり前のことをじっくり観察しながら、体の状態を整えていく方法が、昔から伝わる気功や太極拳でした。

 

今回は、指を1本ずつ動かすエクササイズを行いました。

 

単純に指を1本ずつ回すだけでの動きですが、指を回す時に指だけでなく、全身で動きが感じれるように、体の各部分に意識を向けていきます。

 

指を回しながら、前腕、肩、首、腰、脚と意識する部分を変えていきます。

 

そうすると、指の動きが次第に全身で感じ取れるようになってきます。

 

このエクササイズを手の10指全てで行っていきます。

 

非常に単純なエクササイズですが、意識を介して行うことで、脳が活性化されものすごい運動になります。

 

私たちの体の状態は、

 

①止まっているとき

②今まさに動かそうとするとき(be about to)、

③動いているとき

 

の3つの状態に分けられます。

 

気功の動き、気が発生する時は、この②の今まさに動かそうとする時の状態が連続で起こり続けている時です。

 

そしてフォノグラムで描く図形はこの「今まさに」の境界線を描いたものです。

  

 単純な動きですが、意識して行うことで、体全体が活性化し、ものすごい能力開発になります。

 

体の中にこの感覚が育ち共鳴力が高まることで初めて、共鳴力の高い良い楽器がつくれるようになります。

 

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投稿者:土橋 健一

 

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