5月バイオリン教室レポート②

後半は実技の時間。

 

下は、僕が作った円形の等音面に圧電スピーカーをつけて実際に音を出してみているところです。そこそこの音は出ますが、高音がぼやけます。

板の厚みがあることや、中に魂柱を立てることでもう少し良い音が出ようになるかもしれないということでした。

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ここで何を持って良い音と言うのかということについてお話がありました。

一般的には、大きくて響きのある音が出る。高音も低音もしっかり鳴る楽器が良い音の出る楽器ということになると思います。

 

一方この教室で目指していることは、音を鳴らした時、ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ドまで様ざまな音を内包した、密度の高い音が出る楽器作りを目指しています。

 一つの音、例えばソという音を出すとき、私たちの耳にはソという音として聴こえます。でも実際には出ている音には、はっきり聴こえているソの音以外にも、他の色々な音や倍音が混ざっています。これらの音を聴き取ることは、普通はできませんが、フォノグラムの能力を育てていくことで聴き取れるようになるようです。このフォノグラムの感覚を元に7音階の全ての音を内包するような密度の高い音が出るように板を削っていきます。そのようにして作られた楽器が最も共鳴力の高い音が出る楽器になると考えています。

 

 

下の写真では音によって、領域を分けています。黒く塗っている部分は、周囲より音が低い部分で、これから削っていく部分になります。

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 木工職人のOくん。削りが滑らかです!

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投稿:つちはし けんいち